海のこと


  無題 2010年4月

子供の頃、海が大嫌いでした。私が育った大阪に美しい海はなく、港はゴミや死んだ魚の浮かぶ臭くて汚い場所でした(最近はどうなったかなあ…)。家族旅行で訪れた三重県・鳥羽や和歌山県下の海も、濁っていて目が痛くなるし、クラゲには刺されるし、海底の泥や海藻など鳥肌が立つほど気持ちの悪いものでしかありませんでした。旅行そのものは大いに楽しみましたが、海に関してだけはどうも好きになれなかったのです。

大学に入って鉄砲打ちの人と知り合い、野山を駆け巡ってアウトドアや釣りを覚えました。シカなどの写真を撮るために林道の奥深くまで通った時期もありました。今にして思えば不思議なほど意識の中に“海”はなく、そもそも子供の頃から昆虫や爬虫類など小動物が大好きで折々に飼育もしましたが、海のものだけは身近に感じられず遠ざけていました。

それが、ひょんなことから19年も洋上で生活?することになるなんて、面白いものですね。もっとも洋上と言っても本当に“波のうえ”だけで、海で泳いだのは19年のうち小笠原でシュノーケリングをした、たった2日間だけです(ちなみに私は金槌なので、もしもの時はお終い…)。
乗船中は鯨類はもちろん、鳥や魚や鰭脚類(オットセイなど)、時に昆虫やすくい上げた無脊椎動物やプランクトンなどなど、いろんな生き物に会うことができて、まさに至福の航海でした。あんなに嫌いだった海から一生分以上の贈り物をしてもらったような気がします。本当にありがたいことだと感じています。

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Author:mesoplodon
子供の頃から「生き物」「乗り物」「化け物」好き。海やら街やらで写真を撮っています。

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