5年


  福島第一原子力発電所 2008年5月

 東北地方の大震災と、続く福島の原発事故から5年が経ちました。現地の復興のありようは、日々マスコミに伝えられている通りですが、本当のところは自分の目で見ないと分からないと思っています。一度だけ東塩釜に出張の折、津波の痕跡と復興半ばの街の様子を目にしました。想像以上に家屋も建ってはいましたが、震災で離れた人たちが戻ってこず、人手不足になっているといった話から、目に見えない傷の深さも感じました。

 東北を中心に、人の暮らしを一変させた一連の災害ですが、福島の原発事故では、放射性物質の半減期等を考えると、わずか5年で脅威が去るわけもなく、居住地域からひとまず移動させたこと等で一部に改善が見られたにすぎません。依然として線量の多い地域は残っていますし、大勢の方が故郷に戻れないでいます。風評被害は、そのことが悪いように取り上げられますが、やはり誰しも、心の奥底では福島産の農作物・漁獲物に対する恐れが払拭されたわけではないのです。農地の土を入れ替えたりするなど、生産者の方の努力は、現在の作物から放射線が検出されなくなっていることでも効果を表していると思うのですが、やはりそれだけではだめなのでしょう。店頭に並ぶ福島産野菜を手に取るとき、頭では大丈夫だろうと思っていても、気持ちのどこかで、大丈夫かなと思う自分がいます。余計なことを何も考えずに買うことはもう、叶わないのでしょうか。風評被害というか、あの事故がもたらした傷が、生産者にも消費者にも未だに深く残っています。
 

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Author:mesoplodon
子供の頃から「生き物」「乗り物」「化け物」好き。海やら街やらで写真を撮っています。

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