アルバムから 3


  見つめる瞳 1993年6月

 1993年の4月、仕事で小笠原に行って、生まれて初めてクジラ(ザトウクジラ)を目の当たりにしたとき、頭の中で何かがパチンと弾け、じっとしていられなくなりました。東京に戻るなり車を買い、5月には撮影機材やキャンプ道具を積んで北海道へ。学生時代にお世話になった馬産地の牧場を訪ねて、昼間はそこで馬などの写真を撮らせていただき、夕方から林道を上って待機、空が白み始めてから、そろそろと林道を下り、出会ったエゾシカの写真を撮っていました。テントも用意してありましたが、手間や時間を惜しんでほとんど車内泊。体がバキバキになって、今にして思えばよくやったものだと思います。

 約1ヶ月の滞在で、沢沿いや牧草地など、ある程度シカの現れる場所も分かるようにはなりましたが、空振りに終わることも多く、動物相手の難しさを体感したものです。きっと風向きやなんかで行動が変わるのでしょうね。それでも彼らの姿をなんとかフィルムに収めることができました。

 シカはとても聴覚の優れた生き物です。風の強い日は動き回らず、じっとしているといいます。実際、遠くにいるシカを狙ってシャッターを切ると、その音に気付いて足が止まったりこちらを見たりすることがよくありました。息をするのも憚られるような撮影でしたが、野生の生き物を目の当たりにしている、その時間の幸せなこと、幸せなこと!

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Author:mesoplodon
子供の頃から「生き物」「乗り物」「化け物」好き。海やら街やらで写真を撮っています。

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