世界のどこかで


  シャチのアタック 2005年10月

このブログの更新がとうとう週イチのペースになってしまい、遅くてがっかりされている方のために、とっておきの一枚です。例によって、研究室の承認を頂いて公開しています。

10月の金華山沖。親子含む3頭のシャチの群れを発見、接近して確認を行っていたところ、群れが急に深く潜水して見失いそうになりました。どこに浮上するか分からないので、現場付近をぐるりと大きく旋回したのですが、近くに5mほどの流木があって、船はゆっくりとそちらに近づきました。流木には大きな丸いものが沿うように浮いており、なおも接近するとウミガメであることが分かりました。流木や大きな漂流物には魚群など、身を寄せる生物がしばしば見られます。この時も「あーカメだね」と、何の気なしにレンズを向けたのですが、その瞬間、大きなものが水中から躍り上がってウミガメを吹き飛ばしたのでした。ほとんど反射的にシャッターを押して、ゆっくりしか撮れない連写の3枚目に記録したのがこの写真です。ウミガメはこのすぐあと、同じ個体か他のものかは不明ですが、口に咥えられて水中に没し、それきりになりました。一緒に見ていた船員さんの話では、何か内臓のようなものが浮いてきたよということだったので、噛み砕かれてしまったのかもしれません。

世界のどこかで誰知ることもなく、日々行われているドラマの一つを垣間見て、幸運にも記録することができました。このウミガメにとっては不幸だったのかもしれませんが、この星の生き物の命はこうしたことで成り立っているということを、皆さんにも改めて感じていただけたら幸いに思います。

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Author:mesoplodon
子供の頃から「生き物」「乗り物」「化け物」好き。海やら街やらで写真を撮っています。

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